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2015年12月31日 16:38

『2015年ももう終わり』シリーズ第三弾:「コウノドリ」クリスマスコンサート

こんにちは。私の4歳の一人息子は早産で、神奈川県立こども医療センターという場所で生まれました。今でこそすくすくと元気に育っておりますが、生まれて早々4ヶ月間は、NICUで集中的に体調を管理して頂きました。息子の頑張りはさることながら、子供医療センターの皆様の昼夜を問わないケアのおかげで今日が有ると、日々感謝しております。

さて、TBSドラマ『コウノドリ』という、産科医療をテーマにしたドラマが先日完結しました。このドラマは、そのこども医療センターにスタッフや俳優の方々が何度も見学をして、制作されたそうです。近年の病院を舞台にしたドラマでは、派閥争いの話しだったり、スーパードクターのスーパー治療やスーパー手術の話しだったりと、ヴェールに包まれた病院内部を脚色したようなお話が多く見受けられました。(好きで見ちゃいますが。)

 

しかしこのドラマでは、産科医療を、患者の視点を多分に交え、医師や看護師達の人間的な弱さや苦悩を表現し、治療の現場の過酷さを如実に表現することに主眼がおかれていると感じました。私や妻が実際に悩んで神経が張りつめていた日々、小さく生まれた子供の不安定なままの成長過程、医師や看護師たちの真剣な表情から覗く疲れの色、しかしどうやら職場を離れると結構明るい様子など、私がこども医療センターで垣間みた様子が表現されていました。こども医療センターの食堂は医師も看護師も患者もその家族も利用できるのですが、いつ行っても、休憩の医師や看護師が一人でうつむいて仮眠を取っている様子を目にしました。日々、真剣に向き合ってくれているのだなと、言葉にできない感謝の念がこみ上げ、心からの信頼を寄せてしまいます。また全10話で、各回に特別な環境での出産の物語があります。私が知っているNICUの様子を思い出す限り、勿論知らない状況の出産も有りましたが、決して極端ではない、身近な出来事として感じました。

 

私にとっては、息子の誕生を通して最も深く関わり色々考えさせられた医療なので、NICUの現状を忠実に描こうとするドラマの作り方がとても嬉しかったし、先程紹介したようなストーリーの根幹で奇をてらった極端な脚色も殆どなく、とても好感の持てるドラマでした。皆様、ご覧になった方もなれなかった方も、DVDがでたら、見ましょ。個人的には『コウノドリ2』を期待してしまいます。

 

と、ドラマの感想が長過ぎてなかなか本題に入れませんでしたが、実はここからが本題なんですごめんなさいーっ!

 

では気を取り直して。
ドラマ『コウノドリ』で主人公のサクラ(綾野剛さん)は、ドクターであると同時にピアニスト「BABY」である設定で、各回のクライマックスに演奏するシーンがあり、サクラの感情を表現する演出となっています。実際にピアノを弾かれているのは清塚信也さんで、先日の12月21日に、ライブレストランのブルースアレイジャパンという場所でお聞かせ頂きました。

 

 

実は直前にこども医療センターの診察があり、担当して頂いているスーパードクターT先生にドラマの話題を持ち出したところ、そのT先生が『コウノドリ』チームの見学対応などをされていたことから、ラッキーにもクリスマスライブにお誘い頂きました。ドラマでいえば、周産期センター長の今橋先生(大森南朋さん)のお立場です。ライブ会場の様子はそのT先生のブログで見られますので、リンクさせて頂きます。

『がんばれ!!小さき生命(いのち)たちよ』

また、このブログはこども医療センターの周産期医療の様子を細かく掲載しています。まさに『コウノドリ』のモデルです。是非一度ゆっくり見て頂いて、皆様のお知り合いとも話題にして頂けると嬉しいです。

 

年末を控え、今が正念場と右も左もなく仕事に取り付かれて自宅の机にかじりついていたのですが、このライブに呼んで頂き、清塚さんの優しいピアノで心底癒され、我に返って視野が開けました。おかげでより一層仕事に身が入ったし、他力本願ながら家族サービスにもなり、またもT先生に救いの手を差し伸ばして頂いたようでした。

 

劇場設計では、その劇場の場所が駅から少し離れている方がよいということを言われます。それは、公演の帰り道、すぐに電車に乗ってしまうと一気に現実に引き戻されてしまう為、お客様が余韻を堪能できないからです。
この日の帰り道は私のその時の境遇も相対的に確実に作用していたと思うのですが、ここ数年で、最も深く心に刻まれた、贅沢な帰り道でした。

 

大分文章を間引いたんですが、多くなってしまいました。この話題はどうしても長くなってしまうので、また機会があれば、記載させて頂きたいと思います。

『2015年ももう終わり』シリーズ第三弾:「コウノドリ」クリスマ…