2015年12月30日 15:42
『2015年ももう終わり』シリーズ第一弾:とても面白い本に出会った
以前、NHKの「SWITCHインタビュー達人達(たち)」というNHKの番組で、京大総長の山極壽一先生とグレートジャーニーの関野吉晴さんの対談がありました。元々は関野さんのグレートっぷりに魅力を感じていたので番組を鑑賞したのですが、京大総長の山極先生のお話もまた大変興味深く、ついつい、執筆された本を購入してしまいました。
それがこちらの、『「サル化」する人間社会』です
山極先生は人類学、霊長類学の研究者で、ゴリラの研究が専門です。ここまでは先生が総長になられた際のニュース等を拝見して知っていたのですが、ゴリラの研究が人類学の延長だということをTV番組で知ってこの本に興味を持ち、そしてまた研究しようと思った理由が、人間の本質を捉えたいからだという前書きを読み、食い入るようにあっという間に読み終えてしまいました。この本では、霊長類学の知識が皆無の私でも理解しやすい言葉でゴリラが分析され、人間と比較して人間の動物的な本性を見いだし、さらには現代の社会の方向性についての考察がなされています。
私はいつも建築のことを考えていると、「本質を捉えたデザイン」という自身のテーマに直面します。大学院の頃、都市計画の授業で、「人は一日の9割りを建築の中で過ごす」と、都市計画家の先生がおっしゃっていたことが、少しもの寂しげだったことを記憶しており、同時に大きな衝撃でもありました。9割りかどうかは今思うと場合によるとは思いますが、とかく建築は人間の生活を支える為に用意されるものですから、やはりどうしても、「人間の本質」というものの考察に及びます。
「人間の本質」を捉えるなんて途方もないと私は思い込んでいましたが、この本に書いてある「人間の本質」の考察や現代人の捉え方にふれ、建築のデザインを考える上で大変重要なアプローチを色々と発見できました。
山極先生の執筆は他に、『暴力はどこからきたか』や、『父という余分なもの』などがあります。私は最初、建築的興味から『「サル化」する人間社会』を選びましたが、人間の本性を探る為に、是非この2つを読みたいと思います。「父」という存在は人間特有で、霊長類的には余分なのか。。。と、読む前に深読みして少し複雑ですが、興味は抑えられません。
また、このブログを書く為にamazonさんのHPを探ったところ、『京大式おもしろい勉強法』という新刊があり、Kindle版(600円とお得っ)を思わず衝動買いしてしまいました。
皆様も宜しければ。